2020年から文部科学省牽引による小学生プログラミングの義務教育が始まる予定ですが、ネット上ではそれに対して多くの賛否両論の声を目にします。その中でもフィードバックの中身が濃い反対意見、それらの多くがそもそもプログラミング学習を必須化する必要があるのか、という内容です。

必須化反対の主な理由としては、プログラミング教育の効果を示す物差しが存在しないという事。

多くの親御さんからの、数年後のIT人材不足、近い将来やってくるAI/IoT化の状況を見据えた上での所見です。私自身、一父親として、この反対理由に対して明確な回答が見いだせないまま、プログラミング義務教育を実践するのは親御さんの不安を助長すると個人的に思います。やってみたが、結局、さほど効果は得られなかった、という状況だけは避けてもらいたいものです。

では、MCBCの教える側の立場から、この反対意見に対する目線はどのようなものなのか、ご説明したいと思います。

先に経済産業省が発表した調査結果によれば、2020年に36万人、2030年には78万人のIT人材が不足すると予想しています。とは言え、すべての子供たちが将来プログラマーになるわけではないので、必須化する理由にはなりません。

しかし一つ言えるのは、子供たちの世代には、どんな職業であれコンピューターの概念を学ぶことは、誰にとっても貴重なライフスキルになるというです。 ビジネス向けのウェブサイトやアプリを作成する能力は、幅広いキャリアの人々にとって有益なスキルです。アップルは2015年に広告やPRからジュエリーデザイナーやゲーマーなど、様々な分野でのアプリ販売で200億ドルを計上しました。これは2013年のわずか2年前のアプリ販売の2倍になります。これはごく一例、コーディングスキルはその他にも、会計士、ジャーナリスト、個人経営者など、様々な分野でその能力が有効活用され始めてきています

また、子供の頃からちょっとしたコーディングを知ることにより、テクノロジーへの恐怖を軽減し、より幅広く技術スキルを理解するメンタルの窓を開くことができます。私の中学時代の先生は、私に読みふるしの英語版Timeマガジンをプレゼントしてくれました。英語はもともと好きではありませんでしたが、その頃から私は英語というものに興味を持ち始め、アメリカに行ってみたいという気持ちが心の中に芽生えました。海外留学というメンタリティができたのもこの恩師のおかげだと思っています。世の中、何がきっかけで点と点が結びつくかは予想は難しいもの、しかしMCBCでコンピュータを学ぶ機会を提供することで、それが子供たちにとってテクノロジーへの門をたたく第一歩になり、彼らの将来に何らかの形で結びついてくれるのなら、それに勝るものはありません。

以上の観点から、私はできるだけ多くの子供たちにプログラミングに接してほしい、と教える側の立場から思うのです。